みなさんこんにちは!リールメンテナンスドットコムの内田です。
定期的なオーバーホールの一つの基準として、「1年に1回は」というご提案を弊社でもしておりますし、メーカーさんでもそのようなアドバイスがあります。
あくまで目安としての期間です。
違和感を感じたら出した方がいいかもしれませんという一例です。
リールは15ルビアス3012H、2017年3月にご購入、月間1〜2回のご釣行で、約30回の使用で回転に違和感、異音がで始めたということでご依頼いただきました。
ご使用用途は、サーフヒラメ。潮かぶりや砂の危険性があるフィールドですね。
使用回数的には標準的なので、もしかしたら機種特有の違和感やギヤノイズ、マグシールドノイズなどを気になさっておられるのかなと思いましたが、現物拝見し、テスト1回転目で、ザラザラ。。。ベアリング不具合確定です。ギヤは大丈夫そうな感触!
スプールのドラグ部分には若干水分が入った形跡。
ドラグは入れ直さなくて大丈夫そうなので、クリーニングのみで対応。
スプール外して、スプール受け部分
スプール受けのベアリングが、がっつり錆びて固まってます。いわゆる固着。全く回らないです。
この時点でスプールからの水分侵入確定です。
そして、以前もお話しした「軸を伝って水分が入る」まさにそのまんまの写真が取れました。
シャフトが結構な良い色になっているのが見えますか?
この時点で、ローターナットに入っているベアリングも塩がみ確定。
検査しましたら、ダメでした。
例によって、マグシールドも心配しましたが、こちらは問題なくマグオイルも保っており、
その下のピニオンギヤに入っているベアリング2個とも全く無事でした。
以前もブログで紹介しましたが、マグシールドはこのようにちゃんと機能している場合が多いので、特にメインのマグシールドは抜かない方がいいと思います。
ソルト使用なら絶対ですね。
そして、マグシールドでは防げない、シャフトからとサイドからの塩水侵入で、
エンジン内部に塩分結晶、グリスは真っ黒け。。。
ドライブギヤ左右のベアリングもガリガリという感じでした。ウォームシャフトベアリングも塩がみ。
最終的に、ベアリング6個交換で、バッチリの回転が復活。
ギヤノイズもなく、ややマグシールドの摩擦音は出てますが、問題ない許容範囲内。
11,080円(税別)+お返しの送料でした。
最近よく感じるのは、使用回数、使用状況にある程度は左右されますが、塩がみだけは本当に運みたいなところあると思います。
オフショア釣行で2年オーバーホールなしでなんともないリールもあれば(開けてみるとしおしおですが。。。)
今回のようにご購入後の使用回数が少なくても、バリバリベアリングが錆びてしまうこともあります。今回のユーザーさんの釣行後のメンテ聞いてみると、ちゃんと水洗いもドラグ締めもされているので、特段問題なかったです。
「違和感が出たらひとまず相談を」が一番の近道のようです。
可能な限り、本当にそれが違和感なのか、機種独特なのか、事前にしっかり予測を立ててお話ししています。
今回みたいに、使用過程で不具合が出たっていうのも使用回数関係なくありますので!
月並みですが、やはりまずはご相談を!ですね。。。。
リールメンテナンスドットコム 内田雅和