国内2大メーカーどちらにもある事例です。ほぼ毎日最低1件はこの問い合わせがあります。
使用前の購入当初から違和感があり、使っていればおさまるかなと思ったら、一向に良くならないとご意見をいただいたり、通信販売で買ったんだけど、新品でこんなフィーリングなの?というご質問を受けることがあります。また、最近ではエリアトラウトや、メバリング、アジングなどいわゆるフィネスの釣りをされるユーザーさんが増加し、そのような釣りジャンルに限って特に違和感を訴えられるケースが増えてきています。
使用過程でだんだんゴロ感や違和感、異音が出てきた場合は、使用過程での塩がみ、部品磨耗による不具合だと考えられますが、新品購入間もない状態での違和感やノイズ、異音を訴えておられるリールを検査してみると、ほとんど「問題なし」との結果になることが多いです。これらの事例はメーカー製造上の許容範囲内のノイズや違和感であり、不具合ではありませんので、弊社へオーバーホールや調整をご依頼いただいても、修復はできません。弊社ではよくこのような説明をさせていただきます。
「神経質ですね」とは片付けたくありません。繊細な釣りをすれば、リールの機械ノイズがアジのあたりに勘違いしてしまうこともあります。ただ残念なことに万人にとって、全くノイズの出ない完璧なリールはこの世に存在しませんし、これからも作ることは不可能だと思います。リールの機能を向上させ、フィーリング向上を目指してきたのもメーカーですが、ユーザーの求めるフィーリングがあまりにも高くなりすぎ、求めるクオリテイが人間の感覚に非常に近くなりすぎたこともこれらの原因だと思います。
リールは精密機械でありながら、所詮は機械ものです。ある程度の限界があることを知る、このリールはどのようなフィーリングが限界なのかということを理解し、それを踏まえた上でのタックル選び、タックルセッティングをしていくのが、今からのアングラーに求められることだと感じています。
どうしても不安だ、わからない、判断できないというお客様には、「定期的なオーバーホールを兼ねての検査」ということでご依頼いただければ、きちんと検証してご説明させていただいております。